車や旅行

車が勝手に進む!? カナダのドライブスルー洗車が面白すぎた

カナダに住んでいると、車があっという間に汚れてしまうことに気づきます。
雨が少なく、風が強い日が多いせいか、道の埃や砂ぼこりが車体にすぐ付着します。さらに冬になると、道路には凍結防止のために塩化ナトリウム(ロードソルト)が大量に撒かれ、放っておくと下回りが錆びてしまう原因にもなります。そのため、カナダでは定期的な洗車が必須です。

日本では、無人のガソリンスタンドもありますが、人が常駐するスタンドではスタッフが窓を拭いたり、ゴミを捨ててくれたりと、ちょっとしたサービスがありますよね。
しかしカナダでは、そうしたサービスは一切ありません。
給油から支払い、洗車まで、すべてセルフ方式。車の外装を丁寧に拭いてくれるような文化もなく、「車は汚れるもの」としてそのまま走っている人が多い印象です。日本人の感覚からすると「このままでいいの?」と思うほど、土埃で真っ白な車をよく見かけます。

今回は、そんなカナダの洗車事情の中で、私が実際に体験した「Petro-Canada(ペトロ・カナダ)」のドライブスルー式自動洗車機(SuperWash)をご紹介したいと思います。
夏場は「そろそろ汚れてきたな」と思ったときに洗車すれば十分ですが、冬場は塩害防止のため、2週間に1度の洗車を心がけるのが理想的です。

洗車の流れ(Petro-Canda)

今回訪れたのは、ガソリンスタンドに併設された自動洗車機。外観はまるで小さなガレージのようで、「Entrance」と書かれたドアの奥が洗車ルームになっています。

チケット購入ですが、私はガソリンスタンドに併設されているサークルケーやコンビニで先に洗車チケットを購入し、そのレシートを持って洗車に向かいます。

全体で約5分ほどと、驚くほどスピーディーです。

今回使用した洗車は「レール式」です。人によっては「レールでタイヤが傷つかないか心配」という声もあるようです。気になる方は、タッチレス洗車(レールを使わない方式)の店舗を選ぶのも良いでしょう。

洗車の手順は次の通りです。

車をレールに乗せる

ここが日本の洗車との大きな違いです。

画像の左下には、金属製の細いレールが確認できますね。その上に車の左前輪をゆっくりと合わせて乗せることで、自動的に洗車機のラインへ導かれる構造です。このレール式は、Petro-Canadaの 「ドライブスルー型 SuperWash」 によく見られるタイプです。

レールの上に車のタイヤを乗せ、支払いを終えると、自動的に車が動き出します。ギアをN(ニュートラル)に入れ、ブレーキもハンドルも触らないまま進んでいきます。

わさび

洗車の入口には、左側に細い金属のレールがあります。そこに左前輪をゆっくり乗せ、支払いを終えます。合図が出たらギアをニュートラル(N)にします。レールが自動的に車を引っ張ってくれるので、アクセルもブレーキも一切触らず、そのまま待つだけです。

券売機・支払い方法

支払いはすべて機械で行います。車をレールの上に乗せた先に支払い機が見えてきます。

支払いはとても簡単で、事前にガソリンスタンドで購入しておいたレシート(バーコード)をスキャンするだけです。支払い機のバーコードリーダーにレシートをかざすと「Accepted」と表示され、入口のドアが開きます。

クレジットカードやPetro-Canadaの洗車カード(Wash & Go)でも利用できますが、レシート方式は手軽で、ガソリン給油と同時に購入できるためおすすめです。

信号の案内に従う

入口には信号があり、「WAIT🔴(待機=赤)」と「GO🟢(進め=緑)」の表示で誘導されます。GO🟢のサインが点灯したら、自動的に左下のレールが動き出し、それに合わせて私の車もゆっくりと前進します。

初めてのときは「本当に動くの?」と少し不安になりますが、レールがしっかりと車を押してくれるので、ハンドルもそのままで大丈夫です。

洗車と乾燥

洗車中は、ブラシと高圧ジェットが交互に車体を洗っていきます。
泡(SuperFoam)が全体を覆うでしょう(いい匂いがします)。
最後に風圧で水滴を吹き飛ばすエアブローゾーンを通過して終了です。

エアブローゾーンが終わると、出口のドアが開くので、そのまま前進して終了です。
車はまだ少し濡れていますが、走行するうちに風で自然乾燥していきます。

出口にも信号があり、「WAIT🔴(待機=赤)」と「GO🟢(進め=緑)」の表示で誘導されます。GO🟢のサインが点灯したら、乾燥が完了した合図です。

洗車はこれで終了なので、ゆっくりと前進して外に出ましょう。注意点

実際に使ってみて感じたこと

私はこれまでに何度かPetro-CanadaのCar Washを利用していますが、毎回感じるのは「手軽さ」です。ガソリンを入れるついでに洗車できるので、天気が崩れそうな日や時間がない日でもサッと済ませられます。

Petro-Canada以外にも、Esso(エッソ)など他のガソリンスタンドにも自動洗車がありますが、操作や機能は少しずつ違います。Petro-Canadaは全体的にシステムがシンプルで、初めてでも迷うことはないでしょう。

ただし、今回利用したコースには下回り洗浄(Underbody Wash)がついていませんでした。冬場の塩対策としては、少し物足りないかもしれません。

店舗によっては、床面から勢いよく水が噴射される「Underbody Spray」があり、車の底の汚れを落とすことができます。利用する前に、券売機のメニューで「Underbody rinse / Undercarriage wash」と書かれているか確認すると良いでしょう。

とはいえ、洗車の威力は“完璧”とは言えません。
ピカピカになるほどではなく、仕上がりとしては手洗いの7割程度だと思います。やはり人の手で磨かれた車のツヤや細部の仕上がりには敵いませんが、短時間である程度の汚れを落としたいときには十分実用的です。

わさび

私の場合、夏場と冬場で洗車の頻度を変えています。夏は「汚れたな」と思ったときに行く程度ですが、冬は車を塩害から守るため、定期的な洗車が欠かせません。

料金・お得情報

今回使用したPetro-Canadaの洗車では、用途に合わせていくつかの洗車チケットやパスを用意しています。Petro-Canada洗車のウェブサイトはこちら

  • Car Wash Ticket:1回用チケット($16.99前後/店舗により異なる)
  • Wash & Goカード:5回分が事前チャージされたタイプ。チケット不要・期限なしで便利
  • Season Pass90日間有効。毎日1回洗車できて$239程度(使うほどお得)

また、「Buy 2 best wash and save**¢/litre」という看板を見かけることもあります。
これは、洗車を2回購入するとガソリン代が割引になるというキャンペーンで、Petro-Canadaならではの仕組みです。

さらに、一部の店舗では無料で使える掃除機(Free Vacuum)も設置されており、洗車の後に室内のホコリや砂もまとめて吸い取ることができます。チケットに有効期限がないのも嬉しいポイント。まとめ買いしておけば、好きなタイミングで利用できます。

わさび

Petro-CanadaのSeason Pass(シーズンパス)は、例えば1月〜3月までの90日間、1日1回、有効期間内なら何度でも洗車できます。そしてSeason Passを複数人で購入し、交代で使うと費用を抑えられます。私も友人や同僚とシェアして利用していました。

下回り洗浄(Underbody Wash)のポイント

項目内容
ある店舗“Best Wash”や“SuperWorks Wash”などの上位プランにUnderbody Spray(下回り高圧洗浄)が含まれていることがあります。
無い店舗利用店舗によっては、レールだけで下から水が出ないタイプもあり、その場合は車の底は洗浄されません。
判断方法洗車メニューの説明に “Underbody rinse / undercarriage wash” と書かれているか、支払い機の画面・公式サイトで確認できます。
見分けのコツ車をレールに乗せた直後、床面から勢いよく水が噴射される音・振動があれば、下回り洗浄ありです。

冬場のカナダでは、雪よりも「道路の塩」が車の天敵です。下回りの錆を防ぐには、この機能付きのプランを選ぶのが安心です。

まとめ

Petro-Canadaの自動洗車は、手軽さとスピード感が魅力です。車に乗ったまま、たった数分でピカピカほどほど綺麗になるのは本当に便利。日本のような手洗いサービスはありませんが、忙しい日常の中で「最低限のケアを短時間で終えたい」という人にはぴったりです。

今回利用したプランは下回り洗浄なしでしたが、冬場は塩害防止のために上位プランの利用をおすすめします。また、レール式洗車が不安な場合は、ブラシを使わない“タッチレス式”を選ぶのも一つの方法です。

カナダの長い冬を前に、愛車を錆から守るためにも、定期的な洗車習慣をつけておくと安心です。