スパイみたいな日記

タバコ税:中華タバコがカナダ産より安いなんて知らなかった

記事内に商品プロモーションを含む場合があります。

先日、サンフランシスコ国際空港の免税店を訪れた際、ふと目に留まったのが、中国を代表する高級タバコブランド「中華(Chunghwa)」の銘柄でした。真紅のパッケージに金色の「中华」の文字、そして天安門のイラストが描かれたデザインは非常に印象的で、どこか格式のある雰囲気を醸し出しています。

私自身、中華タバコの存在は以前から知っていたものの、実際に手に取るのは今回が初めてでした。価格を見て、正直なところかなり驚きました。1カートン(10箱)で51アメリカドル(約70カナダドル)という値段だったのです。

中華タバコ(Chunghwa / 中华)

中華タバコ(Chunghwa / 中华)は、中国を代表する最高級紙巻きタバコブランドであり、その象徴的な存在感から、単なる嗜好品を超えて「中国の国民的タバコ」といっても過言ではありません。以下に詳しくご紹介します。

中華タバコは、そのデザイン、歴史的背景、味わい、そして社会的な位置づけから、他の銘柄とは一線を画す存在です。

まず特筆すべきは、その高級感あふれるパッケージデザインです。赤と金を基調とした色使いに加え、中国の象徴ともいえる「天安門」が中央に描かれており、視覚的にも重厚で格式のある雰囲気を醸し出しています。これは、特別な場面や贈答用として選ばれる理由のひとつでもあります。

項目内容
ブランド名中华(Chunghwa)
発売元上海煙草集団(Shanghai Tobacco Group Co., Ltd.)
発売開始1951年(中華人民共和国建国直後)
製造場所中国・上海
分類紙巻きたばこ(レギュラーサイズ)
価格帯(中国)約500〜600元/カートン(約95〜110 CAD)
主な販売先中国国内・アジア諸国の免税店・海外中国人向けショップ
わさび

中国国内(約95〜110 CAD)よりも海外免税店(サンフランシスコ空港51米ドル=70CAD)で購入した方が安くなるようです。

なぜ同じ中華でも海外免税店の方が安いのか?

この逆転現象の理由は主に以下の2点にあります。

1. 中国国内の贈答文化と価格戦略

中国では「高級品=贈答用」という文化が根強く、価格もそれに合わせて設定されています。つまり、ブランド価値を保つためにあえて高価格にしている側面があります。特別仕様のパッケージや限定品になるとさらに価格が上がることもあります。

2. 免税店は課税されない+競争が激しい

海外の空港免税店では、輸入税・消費税がかからないため、中国国内の定価よりも安く設定できる余地があります。また、観光客向けの販売競争があるため、価格を抑えて販売する傾向も見られます。

わさび

今回サンフランシスコ空港で購入した価格は 51米ドル(約70カナダドル)。これは、中国国内での正規価格と比べても3割近く安い計算になります。

ソフトパック vs ハードパックの違い

今回購入したのは、「ハードパック」タイプの中華タバコでした。免税店での定価は51米ドル(70カナダドル)で、特にセール中というわけでもなく、通常価格としてこの設定でした。

それとは別に、「ソフトパック」タイプの中華タバコもありました(サンフランシスコ免税店価格95米ドル)。ソフトパックは紙製の柔らかい包装で、よりクラシックな印象を持つ一方で、潰れやすく保存性にやや劣るという特徴があります。その代わり、「紙の風合いや香りが引き立つ」と評価されることもあり、愛好家の間ではソフトパックの方が高級志向と捉えられることもあります。

中華タバコはソフトとハードがあります
  • ソフトパック(柔らかい紙包装)
    • より「伝統的・本格的」とされ、通の愛好家に好まれます。
    • 柔らかく、香りが広がりやすい反面、潰れやすく保存性はやや劣ります。中国本土ではソフトパックが主流。
  • ハードパック(厚紙製の箱型)
    • 保存性・携帯性に優れており、海外の免税店ではこちらが多く流通。
    • 見た目の高級感や印刷の美しさも魅力です。
わさび

味に大きな違いは感じられないので、価格面を重視してハードパックを選びました。

どうして中華タバコはカナダ産より安いのか?

カナダで買うBelmontは1箱20本入18ドル

比較として、私がカナダ国内で購入しているのは「Large King Belmont(25本入り)」というブランドです。

Large King Belmontの価格は、1箱あたり20本入18ドル、25本入り約24カナダドルです。仮に20本入を10箱分を購入したとすると、合計で180カナダドルにもなります(詳しくはこちらへ)。一方で、中華タバコは10箱セットで51アメリカドル(約70カナダドル)。価格差は実に2.5倍以上にもなります。

これほどの違いがあるとは、正直思いもしませんでした。

たばこ税金

中華タバコは、もともと中国国内では「高級品」として知られ、贈答用やビジネスシーンでも重宝される銘柄です。では、なぜそれほど格式のあるタバコが免税店ではこの価格で手に入るのでしょうか。

その答えは、「そもそも中華の価格設定が低い」のと、「税金の有無」だと考えます。

カナダではタバコに対する税金が非常に高く設定されており、各州によって差はありますが、1箱あたり10ドル以上が課税されていることも珍しくありません。連邦税・州税に加え、健康促進の目的で設定された特別課税が加わるため、実質的なタバコの本体価格は非常に小さいのが現実です。

一方、空港の免税店ではこうした税が免除されるため、原価と最低限の流通コストのみで販売されます。そのため、海外ブランドであっても価格はむしろ国内品より安くなると考えます。

オンタリオ州のたばこ税

区分税率・金額備考
オンタリオ州タバコ税$0.18475/本1パック(20本)=$3.70、25本=$4.62
$36.95/カートン(200本)
カナダ連邦タバコ税$0.19078/本1パック(20本)=$3.82、25本=$4.77
$38.16/カートン(200本)2025年4月1日改定。毎年物価指数により調整される。
州+連邦 合計税額$75.11/カートン(200本)小売価格に加算される。HST(13%)は別途加算対象。

この税額は、製品の小売価格に加算されるため、実際の販売価格はさらに高くなります。

今後は旅行時にまとめ買いもあり?

今回の体験を通じて実感したのは、「免税店の活用は思っていた以上に節約になる」ということです。カナダに持ち帰る際の免税範囲は、一般的にタバコ200本(=1カートン)までとされていますので、旅行のたびに1カートン購入しておくだけでも、日常の喫煙コストを大きく抑えることができます。

さらに、同じ予算で国産品よりも多くの本数が手に入るというのは、単純に経済的ですし、なにより「ちょっと違う味を試してみたい」という気分転換にもなります。

カナダへのタバコ持ち込みは1カートンまで

カナダ国外に48時間以上滞在した後に帰国する場合、以下の数量までのタバコ製品を免税で持ち込むことができます:

ProductAmount
Cigarettes200 cigarettes
Cigars50 cigars
Tobacco200 grams (7 ounces) of manufactured tobacco
Tobacco sticks200 tobacco sticks

これらの製品は、パッケージに「DUTY PAID CANADA DROIT ACQUITTÉ」と記載された課税済みの印があるものに限ります。

カナダにおいてタバコ製品を持ち込むには、18歳以上である必要があります。

詳しくはこちら

おわりに

赤と金の華やかなパッケージ、高級感のあるデザイン、そして穏やかで上品な味わい。確かに中華タバコは、ただの嗜好品ではなく、「文化」や「ステータス」を内包したたばこでした。それだけに、1カートンあたり約70カナダドルという価格は、非常に魅力的に映りました。

カナダのBelmontと比べて3倍以上の価格差があるというのも驚きで、税金の重みを改めて実感しました。一方で、免税店の価格設定や各国の税制度の違いが、喫煙文化そのものに影響を与えていることも感じさせられました。

ABOUT ME
怠惰なわさび
日常生活、英語、仕事について書いています。